南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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 しつこく「龐掠四郡」雑劇の雑感です。(雑劇の梗概はコチラ


 『平話』や『演義』の龐統は、赤壁戦後、孫権に用いられず、劉備にも蔑ろにされて県令に任命されてしまう、という共通点があります。
 『平話』については、mujinさんのエントリを参照していただくとして、『演義』を確認しておくと、第57回において、孫権は容姿が醜い上に無礼であったので用いず、劉備もその容姿を見て喜ばず、耒陽県令に任命して体よく追い払ってしまいます。
 一方、「龐掠四郡」雑劇では、呉に向かった龐統を用いないのは魯粛であり、荊州に向かった龐統を耒陽県令に任命するのは簡雍です。つまり、『平話』『演義』における孫権・劉備の役割を、魯粛・簡雍が務めているわけです。しかも、この雑劇では、孫権も劉備も登場しません。
 何でこんな不自然なことになっているかと言うと、これは明代雑劇独特の事情に拠ります。「張翼徳大破杏林荘」雑劇の雑感でも少し触れましたが、明代において、雑劇とは宮廷演劇であり、皇帝の御前で上演されていました。もう少し厳密に言うと、現存する雑劇脚本のほとんどは、明の宮廷図書館に蔵されていたものを、趙美なる人が抄写したものです。つまり、恐らく皇帝の御前で上演されたであろう台本がほとんどなのであり、それゆえ皇帝という存在が登場するのが徹底して忌避されます。
 しかし、どうしても皇帝を出したい場合も当然あります。そのような場合、「殿頭官」という代役を立てることが多いのですが、三国雑劇の場合、「殿頭官」ではなく、実在の人物を代役にしていることがしばしばあります。そして、最も多いのが、簡雍を劉備の代役とするパターンです。
 ただし、これはすべての三国雑劇に共通するものではなく、特に赤壁以後を舞台とする雑劇に多いようです。この問題については、三国雑劇梗概の整理を進めてから、また考察してみたいと思います。
 一つだけ附言しておけば、曹操については代役を立てられません。つまり、曹操は決して皇帝扱いはされないんですね。これも興味深い現象です。(08.10.16初稿)

   → 19「走鳳雛龐掠四郡」へ戻る。
   → A 脚本の現存する雑劇へ戻る
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