南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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ちくま文庫。2000年11月8日第1刷発行。446頁。
三国志 きらめく群像 (ちくま文庫)三国志 きらめく群像 (ちくま文庫)
(2000/11)
高島 俊男

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原著(『三国志人物縦横談』、大修館書店、1994年)は、もう15年近く前に出ていることになります。とっくに読んでなきゃいけない本なんですが、やっと読了(恥)。

私がくだくだ書くよりも、著者ご本人の「文庫版あとがき」が絶妙の紹介文になってます。

>それでこの本も、このたび文庫本にすることになって、自分の書いたものながら
>まるで初めて読む他人の本みたいに読みかえしたのだが、いやこれが実に
>おもしろい。それぞれの人物がよく書けているし、文章がいきいきしている。
>最初の「正史『三国志』の話」も、中国の史書についてこれだけわかりやすく、
>かつ興味深く書いたものはなかなかないんじゃなかろうか。これは
>もしかしたら、オレがいままでに書いたなかで一番おもしろい本
>なのではないか、と思った。(pp.426-427)


こういうことを、自著についてしれっと言えるのが高島センセの藝ですね。そもそもは中国文学研究者(本人はそう言われるのを嫌うかも知れませんが)なので、資料の博捜にも驚かされます。ところどころ廬弼『三国志集解』に書いてあることを、自説のように書いてあるのはご愛敬……で済ませてはイカンのかな。他の箇所で集解について言及しているので見ているのは確実だし、せめて参考文献として集解その他、挙げておくべきでは、とは思いました。

董承3人説とか知る人ぞ知るであろう話が目白押し。ちょっと初心者向けとは言い難いけどおもしろい。ご本人が仰る通り、中国の史書がどういう存在かを明快に示しているのも価値あり。「正史」でさえ、いかにアテにならないかを見事に指摘しています(切れ味が餘りに良すぎて、「ホンマかいな」と思ったりもしますが)。

「文庫版あとがき」からもうちょっと引用。

>しかしこの本は、その受けた待遇の点では、従来わたしが書いたものの
>なかでは最も地味な、注目されない本であった。……ある出版社で
>三国志関係の本を何冊も手がけた人と話した時、「事実はあの本に
>書いていらっしゃる通りなんでしょうけどね、でも三国志ファンには
>受けませんよね」と言われた。三国志ファンというのは固定した人物
>イメージを持っているから、書き手はそれにあわせるように、すくなくとも
>そのイメージをさかなでしないようにしなければならないんですよ、
>とその人は言う。たとえば諸葛孔明はかならず智謀神のごとき
>軍師でなければならない。だから、いやが上にも英明な人物として
>書き立てればいくらでも買ってくれる。「ところが先生の本の
>孔明は、われわれとあまりかわらないふつうの人間ですからね。
>まあそれがほんとうだろうとは思うんですが……」というわけだ。
>なるほどねえ、とこれには感じ入った。(pp.407-408)


似たような発言を三国志学会の懇親会(だったかな)で聞いた覚えがあるけど、本当かしら、と思う。少なくともこの本の場合は、ご本人も書いているけど、高島センセの固定ファンへの訴求力が弱かったのが、比較的売れなかった最大の原因では無かろうか。それでも文庫化までされているんだから、三国志本の中では破格の売れ方をしている筈。

多分、出版関係者が三国志市場を過大評価しているんだろう。ゲームがミリオン超えたからって三国志本がミリオン超えることは有り得んよ。

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