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南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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総目次だけで、内容の方を放置していたのですが、ようやく着手。

しばらく「2『三国志演義』諸版本の概要」を充実させていこうかと。
2.0 前口上および目次

一口に『三国志演義』と言っても色々とエディション(版本)があります。この事実そのものはWikipediaにも紹介されているくらいで、だいぶ認知されてきているように思います(根拠:オレ主観)。
参考:三国志演義-Wikipedia↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%BF%97%E6%BC%94%E7%BE%A9

ただ、具体的にどんな版本があって、それぞれがどう違うかは、少なくともweb上でそれほど熱心に紹介されていないように思われます(これも主観に過ぎませんが)。これは一つには『三国志演義』のエディションの違いが、例えば『水滸伝』ほど派手では無いことが原因でしょう。
参考:水滸伝-Wikipedia↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%BB%B8%E4%BC%9D

また、『三国志演義』の邦訳は村上知行訳(光文社文庫)、小川環樹・金田純一郎訳(岩波文庫)、立間祥介訳(徳間文庫)、井波律子訳(ちくま文庫)、渡辺精一(講談社単行本)など数種がありますが、いずれも通行本を底本にしていることも、日本で『三国志演義』版本の多様に関心が向きにくい理由でありましょう。

古くは鄭振鐸(1898-1958)が「三国志演義的演化」(1929)の中で、『演義』の版本は30種に上るとし、自分が目睹し得た10種を紹介しつつ、これらは「内容的にはまったく同一である(内容実在一無差別)」と断じ、通行本である毛宗崗本に至って初めて大きく改められたと言っています。

その後、鄭振鐸の学術的立場もあり、彼の説が日中とも広く信じられて来ましたが、1960年代に発表された、小川環樹「関索の伝説そのほか」(原載は岩波文庫『三国志』[旧版]第8冊附録)を嚆矢として、通行本以外の各版本にもそれぞれ「個性」と呼ぶべき違いがあることが明らかになってきました。

有名な例を挙げるならば、現在の通行本では第87-89回にかけて、関羽の三男「関索」が登場しますが、版本によっては「関索」が登場しないものがあったり、「関索」ではなく「花関索」なる人物が登場し、通行本とはまったく異なる活躍をするものがあったりします。

というわけで、今後、大雑把にではありますが、いくつかの系統に分けて『三国志演義』の諸版本について言及していきたいと思っています。
(08.11.06初稿)

参考文献:中川諭『三国志演義』版本の研究(汲古書院、1998)

(というか、これを読めば、私の駄文など不要)

          → 関連記事「『三国志演義』と『三国演義』」

目次(あくまで構想;08.11.06)

2.1 通行本(毛宗崗本)
2.2 24巻本系諸本
2.2.1 嘉靖本
2.2.2 24巻本系その他の諸本
2.2.3 李卓吾批評本
2.3 20巻繁本系諸本
2.3.1 葉逢春本
2.3.2 20巻繁本系その他の諸本
2.4 20巻簡本系諸本

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