南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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さて、『三国志演義』李卓吾批評本の回目は七字双句に作るけれども、毛宗崗本では対句に改められる……というネタ振りをしたわけですが、よくよく考えると「対句」というものについて説明が必要かも知れません。

Wikipediaだと、この程度の説明だし。↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%AE%E8%BE%9E%E6%8A%80%E6%B3%95#.E5.AF.BE.E5.8F.A5
中国文藝の上で「対句(対偶句)」というのは頻用される技法ですが、それがいちばん洗練されて用いられるものが「律詩」でしょう。律詩のほとんどは五言あるいは七言(稀に六言なんてのもありますが)八句で構成されます。二句ずつを一組と考えると、首聯(第1・2句)・頷聯(第3・4句)・頸聯(第5・6句)・尾聯(第7・8句)で構成されることになります。

このうち、頷聯と頸聯は対句で構成されねばなりません(律詩であるための必須条件です)。というわけで律詩を例に取ると対句について説明しやすい。

おそらく多くの人が知っているであろう杜甫「春望」で説明します。

[首聯]
国破山河在
城春草木深

[頷聯]
感時花濺涙
恨別鳥驚心

[頸聯]
烽火連三月
家書抵万金

[尾聯]
白頭掻更短
渾欲不勝簪

義解は省略します。

この詩の場合、頷聯・頸聯のほか、首聯も対句になっています。
試みに主語を赤、述語を黄、目的語をシアン、それ以外を白で示すと、

[首聯]
   山河 
   草木 

文法的にも綺麗に揃っているのが判ると思います。また、「山河」「草木」が名詞としても綺麗な対になっています。

[頷聯]
     
     

「花」「鳥」はふつう「花ニモ」「鳥ニモ」と読みますが、ここでは「花モ」「鳥モ」と主語にとっています。ま、「花ニモ」「鳥ニモ」でも対句構造は崩れませんが。

[頸聯]
 烽火  三月
 家書  万金

ここはシンプルです。注目すべきは第4字の「三」「万」。数字で綺麗に揃えているわけです。

律詩の場合、単に文の構造だけでなく平仄も規則に合わせる必要があるので、本当はもう少しややこしいのですが。『演義』の回目の場合、これは気にしなくてイイでしょう。
参考:平仄-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E4%BB%84

さて、『三国志演義』李卓吾批評本と毛宗崗本の第1回回目を見てみます。

李「祭天地桃園結義 劉玄徳斬寇立功」
毛「宴桃園豪傑三結義 斬黄巾英雄首立功」

先程の方法で文の構造を見てみると、

[李卓吾批評本]
  天地 桃園  
 劉玄徳    

全然揃ってないのは一目瞭然。まあ、もともと七字単句のものをつなげただけだから、当然と言えば当然。

[毛宗崗本]
  桃園 豪傑 三  
  黄巾 英雄 首  

綺麗に対句になってます。「豪傑」「英雄」という対置が判りやすいですね。

李卓吾批評本より毛宗崗本の方が修辞として洗練されているのは言うまでもありません。で、今後しばらく全120回の回目がどう変改されているかを見ていきたいと思います。

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コメント
この記事へのコメント
>strapさま:

私の場合、こんなこと知ってる癖に必要なことは知らない口なので……

基本的に受け売りですしね。
漢詩の格律については、
一海知義『漢詩入門』(岩波ジュニア親書)
がお勧めです。
2008/11/18(火) 22:07:39 | URL | たけたつる #-[ 編集]
う~む
こちらのブログタイトル見てピンとこない、素養の無い僕には難しい話です。
平仄というのは、中学生の時の国語で、駢儷体の横に書いてあった文字としか認識してないですね。もっと真面目に勉強しておけば良かったと後悔しています。恥ずかしい><
2008/11/17(月) 23:24:43 | URL | ストラップ #91Ng.RCQ[ 編集]
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