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三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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2.2.3.4 李卓吾批評本と毛宗崗本の回目の比較(第26-30回)
やっと4分の1終了~、先は長い……
凡例:
赤=主語
黄=述語
シアン=目的語
白=その他
毛本の訓読は井波律子訳に拠る。李本は私訳。
[第26回]
李:
雲長
延津
誅
文醜
(雲長 延津に文醜を誅し)
関雲長
封
金
掛
印
(関雲長 金を封じて印を掛く)
毛:
袁本初
敗
兵
折
将
(袁本初 兵を敗り将を折り)
関雲長
挂
印
封
金
(関雲長 印を挂け金を封ず)
〔李本はともに関羽が主語だが、毛本は前半を袁紹に変更。対句としての洗練度を上げている。毛本の前半で袁紹が「袁本初」になっているのは後半の「関雲長」と合わせるため。〕
[第27回]
李:
関雲長
千里
独行
(関雲長 千里を独行し)
関雲長
五関
斬
将
(関雲長 五関に将を斬る)
毛:
美髯公
千里
走
単騎
(美髯公 千里 単騎を走らせ)
漢寿侯
五関
斬
六将
(漢寿侯 五関に六将を斬る)
〔李本は主語を「関雲長」で揃え「千」「五」と数字を並べるなど、稚拙ながら対句と言えないことはない。第26回と同じく前後半とも主語は関羽だが、この回そのものが徹頭徹尾関羽の話で構成されているため、さしもの毛本もこれを変更することはできず、「美髯公」「漢寿侯」と関羽の異称を用いて対句を構成している。「寿亭侯」ではなく「漢寿侯」であることに注目。関羽に下賜された爵号「漢寿亭侯」を「漢の寿亭侯」と解し、関羽を「寿亭侯」と称することは『演義』以前からの現象であり、『演義』にもしばしば見られるが、この爵号は「漢寿(地名)の亭侯」の謂であるから、「寿亭侯」という称はおかしい、というのもしばしば指摘されるところである。おそらく毛本はこの点を踏まえ、「漢寿侯」という些かこなれない称を用いているのであろう。〕
[第28回]
李:
雲長
擂
鼓
斬
蔡陽
(雲長 鼓を擂ちて蔡陽を斬り)
劉玄徳
古城
聚
義
(劉玄徳 古城にて義に聚まる)
毛:
斬
蔡陽
兄弟
釈
疑
(蔡陽を斬りて兄弟 疑いを釈き)
会
古城
主臣
聚
義
(古城に会して主臣 義に聚まる)
〔毛本において主語が固有名詞でないのは珍しいかも知れない。言わずもがなかも知れないが「兄弟」は関羽と張飛(と劉備)、「主臣」は劉備と関羽・張飛・趙雲などを指す。〕
[第29回]
李:
孫策
怒斬
于神仙
(孫策 怒りて于神仙を斬り)
孫権
領
衆
拠
江東
(孫権 衆を領して江東に拠す)
毛:
小覇王
怒斬
于吉
(小覇王 怒りて于吉を斬り)
碧眼児
坐領
江東
(碧眼児 坐して江東を領す)
〔内容的には李本・毛本ともほぼ同じだが、毛本は綺麗な対句。また、孫策・孫権を呼び捨てにすることを避け、「小覇王」「碧眼児」という称を用いている点に注目。古い『演義』が比較的孫呉に冷淡であるのに対し、毛本が孫呉に肩入れする傾向が強いことはしばしば指摘される(明確な論拠はあまり示されないが)。この回目はその傾向の一端を示すものと言えるかも知れない。〕
[第30回]
李:
曹操
官渡
戦
袁紹
(曹操 官渡にて袁紹と戦い)
曹操
烏巣
焼
糧草
(曹操 烏巣にて糧草を焼く)
毛:
戦
官渡
本初
敗績
(官渡に戦いて本初 敗績し)
劫
烏巣
孟徳
焼
糧
(烏巣を劫って孟徳 糧を焼く)
〔李本も稚拙ながら対句だが、毛本の方が数段上。ただ、なぜ「袁紹」「曹操」ではなく字なのかは解らない。〕
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