南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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話題の(笑)「赤壁」に突入
凡例:赤=主語 黄=述語 シアン=目的語 白=その他
   毛本の訓読は井波律子訳に拠る。李本は私訳。

[第41回]
李:劉玄徳 敗走 江陵   (劉玄徳 敗れて江陵に走り)
  長阪坡 趙雲    (長阪坡にて趙雲 主を救う)
毛:劉玄徳      (劉玄徳 民を携えて江を渡り)
  趙子龍 単騎    (趙子龍 単騎 主を救う)
〔毛本は「単騎」をどうしても使いたかったらしい(笑)。「携民」と「単騎」とでは文法構造としては崩れているけど、「多数を引き連れて」「たった一騎で」と意味としては対にしているのだろう。〕

[第42回]
李:張翼徳     (張翼徳 水に拠りて橋を断ち)
  劉玄徳 敗走 夏口   (劉玄徳 敗れて夏口に走る)
毛:張翼徳 大鬧 長坂橋  (張翼徳 大いに長坂橋を鬧がせ)
  劉豫州 敗走 漢津口  (劉豫州 敗れて漢津口に走る)
〔李本後半は第41回前半に続いて「劉玄徳敗走○○」のパターン。毛本は流石に藝が無いと思ったのか、第41回の方からは「敗走」を消し、こちらも「劉玄徳」を「劉豫州」に改め差別化しようとしている。ただ李本の方も、この頃の劉備がいかに「敗走」ばっかりしているのがよく解って捨て難い気もする。なお、李本前半の「拠水断橋」は長坂坡での張飛の活躍を示す際用いられる慣用的な表現。『平話』にも「張飛拒水断橋」の文字が見える。毛本がこの表現を排除したのは対句にするためもあるが、「断橋」の語が『平話』に見える「張飛の大音声で橋が落ちた」のような荒唐無稽を想起させるためかも知れない。〕


[第43回]
李:諸葛亮 舌戦 群儒   (諸葛亮 群儒と舌戦し)
  諸葛亮 智激 孫権   (諸葛亮 智もて孫権を激す)
毛:諸葛亮 舌戦 群儒   (諸葛亮 群儒と舌戦し)
  魯子敬 力排 衆議   (魯子敬 力めて衆議を排す)
〔この回から次回は諸葛亮の見せ場。それゆえ李本では諸葛亮が主語になるパターンが続く。それでは対句にならないので魯粛を引っ張り出している。諸葛亮をフルネームで用いると3文字になってしまうので。彼と対になる人物は「姓+字」で3文字化されることが多い。なお、李本後半「智激孫権」は目的語を周瑜に変えて次回の毛本前半に転用されている。〕

[第44回]
李:諸葛亮 智説 周瑜   (諸葛亮 智もて周瑜を説き)
  周瑜    曹操 (周瑜 計を定めて曹操を破る)
毛:孔明    周瑜 (孔明 智を用いて周瑜を激し)
  孫権    曹操 (孫権 計を決して曹操を破る)
〔李本の前半は第44回とほとんど同じで藝が無いといえば無い。毛本の後半で主語が孫権に変わっているのは、前半の目的語で周瑜をすでに使ってしまっているため。なお李本・毛本とも後半を訓読すると、この段階で曹操が敗れたようにも読めるが、これは漢文(というか中国語)の句法の一つで「曹操を破る計を定めた(決定した)」の義。〕

[第45回]
李:周瑜 三江  曹操  (周瑜 三江にて曹操と戦い)
  群英会   蔣幹  (群英会にて瑜 蔣幹を智す)
毛:三江口 曹操    (三江口にて曹操 兵を折り)
  群英会 蔣幹    (群英会にて蔣幹 計に中る)
〔李本は7字にするのにエラく苦労している印象。この回には「三江口」という地名は出てくるが、「三江」は出てこない(まあ、指す範囲が違うだけとも言えるが)し、周瑜を「瑜」1文字で表すのもムチャと言えば言える。また後半の「智」は動詞で読むんだろうけど、一般的な使い方とは言い難いか。いまいちどんな意味かも判らない。一方、毛本の方は曹操に兵を折らせ、蔣幹を計に中らせた主体である周瑜が出てこない。これは一種のテクニックとしてそうしているのだろう。〕

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