南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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いよいよ後半戦の雰囲気。
関羽が刑死、曹操が病歿。
凡例:赤=主語 黄=述語 シアン=目的語 白=その他
   毛本の訓読は井波律子訳に拠る。李本は私訳。

[第71回]
李:黄忠 馘斬 夏侯淵     (黄忠 夏侯淵を馘斬し)
  趙子龍 漢水 大戦     (趙子龍 漢水にて大いに戦う)
毛: 対山 黄忠 逸   (対山を占めて黄忠 逸もて労を待ち)
   漢水 趙雲 寡   (漢水に拠りて趙雲 寡〔すく〕なきもて衆〔おお〕きに勝つ)

[第72回]
李:劉玄徳 智取 漢中     (劉玄徳 智もて漢中を取り)
  曹孟徳 忌殺 楊修     (曹孟徳 忌みて楊修を殺す)
毛:諸葛亮 智取 漢中     (諸葛亮 智もて漢中を取り)
  曹阿瞞 兵退 斜谷     (曹阿瞞 兵を斜谷より退く)
〔「曹孟徳」を「曹阿瞞」という罵語に、という常套手段。むしろ注目すべきは李本前半の「劉玄徳」を「諸葛亮」に代えている点か。毛本の諸葛亮尊崇が端的に現れている。〕

[第73回]
李:劉備 進位 漢中王     (劉備 位を漢中王に進め)
  関雲長 威震 華夏     (関雲長 威を華夏に震う)
毛:玄徳 進位 漢中王     (玄徳 位を漢中王に進め)
  雲長 攻抜 襄陽郡     (雲長 攻めて襄陽郡を抜く)
〔李本前半が「玄徳」ではなく「劉備」に作る。あるいは漢中王に即位したことに対する非難か?後半からしばらく関羽中心に話が進む。〕

[第74回]
李:龐徳    関公   (龐徳 櫬〔ひつぎ〕を擡〔かつ〕いで関公と戦い)
  関雲長 水渰 七軍     (関雲長 水もて七軍を渰〔おぼ〕れしむ)
毛:龐令明    死戦  (龐令明 櫬を擡いで死戦を決し)
  関雲長    七軍  (関雲長 水を放って七軍を渰れしむ)
〔毛本は李本を換骨奪胎して巧く対句化している。〕

[第75回]
李:関雲長       (関雲長 骨を刮りて毒を療〔いや〕し)
  呂子明 智取 荊州     (呂子明 智もて荊州を取る)
毛:関雲長       (関雲長 骨を刮りて毒を療し)
  呂子明 白衣      (呂子明 白衣もて江を渡る)
〔李本後半は対句ではなく、七字にするために呂蒙を字で呼ぶか。毛本後半は対句にこだわるなら「衣を白くして」と訓ずるべきかも知れない。〕

[第76回]
李:関雲長 大戦 徐晃     (関雲長 大いに徐晃と戦い)
  関雲長 夜  麦城    (関雲長 夜 麦城に走る)
毛:徐公明 大戦 沔水     (徐公明 大いに沔水に戦い)
  関雲長 敗走 麦城     (関雲長 敗れて麦城に走る)
〔関羽の末路を描くゆえか、李本はひたすら関羽に焦点が絞られる。〕

[第77回]
李:玉泉山 関公      (玉泉山に関公 聖を顕わし)
  漢中王 痛哭 関公     (漢中王 関公を痛哭す)
毛:玉泉山 関公      (玉泉山に関公 聖を顕わし)
  洛陽城 曹操      (洛陽城に曹操 神に感ず)
〔後半がまるで違うのに注目。李本が曹操の動向にまったく関心を払わないのに対し、毛本は後半の主題を曹操にしている。罵倒しつつも曹操に注目するという毛本の態度がよく現れている。〕

[第78回]
李:曹操  神医華陀     (曹操 神医華陀を殺し)
  魏太子曹丕       (魏太子曹丕 政を秉〔と〕る)
毛: 風疾 神医 身死    (風疾を治さんとして神医 身死し)
   遺命 奸雄 数終    (遺命を伝えて奸雄 数〔さだめ〕終る)
〔李本はやはり曹操に対して冷淡。回目からもその死がはっきりとは判らない。〕

[第79回]
李:曹子建 七歩      (曹子建 七歩にして章を成し)
  漢中王 怒殺 劉封     (漢中王 怒りて劉封を殺す)
毛:   曹植    (兄 弟に逼りて曹植 詩を賦し)
     劉封    (姪〔おい〕 叔〔おじ〕を陥れて劉封 法に伏す)
〔李本がシンプルに主題を表すのに対し、毛本はかなり捻りが入っている。前半の「兄」が曹丕、弟が「曹植」なのは判りやすいが、後半はやや取り難いか。「姪」は劉封、「叔」は関羽を指す。〕

[第80回]
李: 献帝 曹丕     (献帝を廃して曹丕 漢を簒〔うば〕い)
  漢中王 成都      (漢中王 成都にて帝を称す)
毛:曹丕    炎劉   (曹丕 帝を廃して炎劉を奪い)
  漢王    大統   (漢王 位を正して大統を続〔つ〕ぐ)
〔微妙なんだけど、李本は劉備の即位についても否定的なニュアンスが含まれている気も。73回も何となくそうだったし。〕

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