南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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そろそろ(やっと)終盤。張飛・劉備逝去。諸葛亮の南征。
凡例:赤=主語 黄=述語 シアン=目的語 白=その他
   毛本の訓読は井波律子訳に拠る。李本は私訳。

[第81回]
李:范彊張達  張飛     (范彊・張達 張飛を刺し)
  劉先主       (劉先主 兵を興して呉を伐つ)
毛: 兄讐 張飛     (兄の讐〔あだうち〕に急〔はや〕りて張飛 害に遇い)
   弟恨 先主     (弟の恨みを雪〔すす〕がんとして先主 兵を興す)
〔回目の内容そのものは両者共通するんだけど、表現としては毛本が圧倒的に優れる。いわずもがなだけど、毛本前半の「兄」は関羽を指し、後半の「弟」は関羽・張飛の双方を指すのだろう。〕

[第82回]
李:呉臣趙咨  曹丕     (呉臣趙咨 曹丕に説き)
  関興    張苞   (関興 将を斬りて張飛を救う)
毛:孫権    九錫   (孫権 魏に降りて九錫を受け)
  先主    六軍   (先主 呉を征して六軍を賞す)
〔李本は何か「そら絞り込みすぎやろ」という感じ。毛本は無難に纏まっている。ちなみに李本後半の関興に斬られる「将」は李異。〕

[第83回]
李:劉先主 猇亭 大戦     (劉先主 猇亭に大いに戦い)
  陸遜    蜀兵   (陸遜 計を定めて蜀兵を破る)
毛: 猇亭 先主  讐人  (猇亭に戦いて先主 讐人を得)
   江口 書生  大将  (江口を守りて書生 大将を拝す)
〔毛本後半の「書生」は陸遜を指す。〕

[第84回]
李:先主 夜  白帝城    (先主 夜 白帝城に走り)
  八陣図石  陸遜     (八陣図石 陸遜を伏す)
毛:陸遜 営焼 七百里     (陸遜 営〔とりで〕 七百里を焼き)
  孔明 巧布 八陣図     (孔明 巧みに八陣図を布〔し〕く)
〔李本後半の訓はまったく自信ナシ。「八陣図 石もて陸遜を伏す」てのも妙だしねぇ。〕

[第85回]
李:白帝城 先主      (白帝城に先主 孤を託し)
  曹丕 五路  西川    (曹丕 五路より西川に下る)
毛:劉先主 遺詔  孤児   (劉先主 遺詔して孤児を託し)
  諸葛亮 安居  五路   (諸葛亮 安居して五路を平らぐ)
〔李本後半から毛本後半の改変を見ると、毛本では曹丕は揶揄されている気がしてくるのが不思議。〕

[第86回]
李: 張温 秦宓     (張温を難じて秦宓 天を論じ)
   龍舟 魏主     (龍舟を泛べて魏主 呉を伐つ)
毛: 張温 秦宓  天辯  (張温を難じて秦宓 天辯を逞くし)
   曹丕 徐盛  火攻  (曹丕を破るに徐盛 火攻を用う)
〔李本も対句。これは(李本以前から)かなり意識的に対句を作っているのかも知れない。毛本は後半の「龍舟」を除き、人名を二つ用いる対句にしている。李本の「魏主」を「曹丕」にしているのも毛本の観点を顕著に示す。〕

[第87回]
李:孔明    孟獲   (孔明 兵を興して孟獲を征さんとし)
  諸葛亮 一  孟獲    (諸葛亮 一たび孟獲を擒う)
毛: 南寇 丞相 大   (南寇を征せんとして丞相 大いに師〔へい〕を興し)
   天兵 蛮王 初   (天兵に抗して蛮王 初めて執〔とら〕えを受く)
〔この回から諸葛亮の南征(所謂「七擒七縦」)開始。この回の後半から李本は「諸葛亮X擒孟獲」(Xには数字が入る)というパターンが延々と続く。これに対し毛本は、数字を残しつつ、内容にも言及する回目を作る。毛本の真骨頂と言うべきか。〕

[第88回]
李:諸葛亮 二  孟獲    (諸葛亮 二たび孟獲を擒え)
  諸葛亮 三  孟獲    (諸葛亮 三たび孟獲を擒う)
毛: 瀘水 再  番王   (瀘水を渡って再び番王を縛し)
   詐降 三  孟獲   (詐り降るを識〔し〕り 三たび孟獲を擒〔とら〕う)

[第89回]
李:諸葛亮 四  孟獲    (諸葛亮 四たび孟獲を擒え)
  諸葛亮 五  孟獲    (諸葛亮 五たび孟獲を擒う)
毛:武郷侯 四番      (武郷侯 四番〔たび〕計を用い)
  南蛮王 五次      (南蛮王 五次〔たび〕擒〔いけどり〕に遭う)

[第90回]
李:諸葛亮 六  孟獲    (諸葛亮 六たび孟獲を擒え)
  諸葛亮 七  孟獲    (諸葛亮 七たび孟獲を擒う)
毛: 巨獣  六  蛮兵  (巨獣を駆りて 六たび蛮兵を破り)
   藤甲 七  孟獲   (藤甲を焼き 七たび孟獲を擒う)
〔「七擒七縦」完結。しかし、李本の回目は藝が無さ過ぎだろう。まぁ、これはこれで味だとも言えるが。続く「六出祁山」でも似たようなパターンが出てくる。〕

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