南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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孔明、死す。

しかし、孔明が死んでも物語は15回を残す。『演義』の8分の1は孔明死後の物語だということ。
凡例:赤=主語 黄=述語 シアン=目的語 白=その他
   毛本の訓読は井波律子訳に拠る。李本は私訳。

[第101回]
李:諸葛亮 五  祁山    (諸葛亮 五たび祁山に出で)
  木門道   張郃    (木門道にて弩 張郃を射る)
毛: 隴上 諸葛     (隴上に出でて諸葛 神を妝〔よそお〕い)
   剣閣 張郃     (剣閣に奔りて張郃 計に中る)
〔この回では第五次北伐が語られる。〕

[第102回]
李:諸葛亮 六  祁山    (諸葛亮 六たび祁山に出で)
  孔明  木牛流馬     (孔明 木牛・流馬を造る)
毛:司馬懿  北原渭橋    (司馬懿 北原・渭橋に戦い)
  諸葛亮  木牛流馬    (諸葛亮 木牛・流馬を造る)
〔いよいよ最後の北伐開始。李本後半を毛本は再利用(笑)、それにあわせて前半を造句するがやや強引かな、という気はする。〕

[第103回]
李:孔明 火焼 木柵寨     (孔明 火もて木柵寨を焼き)
  孔明 秋夜  北斗    (孔明 秋夜 北斗を祭る)
毛:上方谷 司馬懿     (上方谷にて司馬懿 困〔くる〕しみを受け)
  五丈原 諸葛亮     (五丈原にて諸葛亮 星を禳〔はら〕う)
〔毛本後半に「五丈原」の語が登場するのに注目。「対句にする」という制約のために、これに続く第104回で「五丈原」を使えなかったため、こちらで用いたように思われる。苦肉の策。〕

[第104回]
李:孔明 秋風 五丈原     (孔明 秋風 五丈原)
  死諸葛  生仲達     (死せる諸葛 生ける仲達を走らす)
毛: 大星 漢丞相    (大星 隕〔お〕ちて漢丞相 天に帰り)
   木像 魏都督    (木像を見て魏都督 胆を喪う)
〔孔明の最期。李本は前半・後半とも孔明にまつわるあまりにも有名な成句を用いる。しかし、「対句」という制限がある故、毛本はこれらを使えない。対句表現は修辞としては洗練されたものだが、それが常に効果的とは限らないという好例。〕

[第105回]
李:武侯    魏延   (武侯 計を遺して魏延を斬り)
    長安水露盤     (魏 長安の水露盤を折〔こぼ〕つ)
毛:武侯 預  錦嚢計    (武侯 預〔あらかじ〕め錦嚢の計を伏せ)
  魏主 拆取 承露盤     (魏主 拆〔こぼ〕ちて承露盤を取る)
〔李本後半の訓は自信ナシ。ちなみに毛本後半の「魏主」は曹叡。〕

[第106回]
李:司馬懿  公孫淵     (司馬懿 公孫淵を破り)
  司馬懿 謀殺 曹爽     (司馬懿 謀りて曹爽を殺さんとす)
毛:公孫淵 兵敗  襄平   (公孫淵 兵敗れて襄平に死し)
  司馬懿    曹爽  (司馬懿 病を詐〔いつわ〕りて曹爽を賺〔だま〕す)
〔李本はあまりにシンプルというか曲がない。毛本の対句も少し破綻しているが。〕

[第107回]
李:司馬懿父子       (司馬懿父子 政を秉り)
  姜維 大戦 牛頭山     (姜維 大いに牛頭山に戦う)〔一犯中原〕
毛:魏主 政帰 司馬氏     (魏主 政を司馬氏に帰し)
  姜維 兵敗 牛頭山     (姜維 兵を牛頭山に敗る)
〔この回後半より九次にわたる姜維の北伐開始。李本は回目の後に「○犯中原」と示すが、毛本はほとんど顧慮しない。〕

[第108回]
李: 徐塘 呉魏     (徐塘に戦して呉魏 兵を交え)
  孫峻 謀殺 諸葛恪     (孫峻 謀りて諸葛恪を殺す)
毛:丁奉 雪中  短兵    (丁奉 雪中に短兵を奮い)
  孫峻 席間  密計    (孫峻 席間に密計を施す)
〔物語の焦点が呉に当てられる数少ない回。李本前半が「魏呉」とせず「呉魏」とするのはその辺りの判断が混じるか。毛本は対句に改編する段階で、この時期の主要人物である諸葛恪の名が消えてしまっているのが残念と言えば残念。〕

[第109回]
李:姜維 計困 司馬昭     (姜維 計もて司馬昭を困〔くる〕しめ)〔二犯中原〕
  司馬師       (司馬師 主を廃して君を立つ)
毛: 司馬 漢将奇謀     (司馬を困しむ漢将の奇謀)
   曹芳 魏家果報     (曹芳を廃す魏家の果報〔むくい〕)
〔李本後半の「主」は曹芳、「君」は曹髦。毛本は倒置法で造句している。『三国志演義』ではかなり珍しい例。〕

[第110回]
李:文鴦 単騎 退 雄兵    (文鴦 単騎にて雄兵を退け)
  姜維 洮西  魏兵    (姜維 洮西にて魏兵を破る)〔三犯中原〕
毛:文鴦 単騎 退 雄兵    (文鴦 単騎にて雄兵を退け)
  姜維    大敵   (姜維 水を背にして大敵を破る)
〔毛本は李本前半をそのまま採用。それにあわせて後半を改変。〕

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