南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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5.2 全相平話五種について

『三国志平話』と同時期に同一地域で刊行されたと考えられている他の平話について、簡単にまとめておきます。なお、『三国志平話』もそうですが、これらの平話は表紙と本文のタイトルが違ってますので、両方書いておきます。
(1)武王伐紂平話
表紙タイトル「全相武王伐紂平話」。中央に「呂望興周」とあり。
本文タイトル「新刊全相平話武王伐紂書」

題名どおり、殷周交代期の物語。紂王の即位から始まって武王が紂王・妲己を滅ぼして団円。歴史物語というよりは仙人大戦争で『封神演義』の原型とも言える内容。
なお、関西大学二階堂先生の旧サイトに電子テキストと画像が置いてあります。
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~nikaido/pinghua.htmlhttp://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~nikaido/pinghua.html

(2)七国春秋後集平話(仮称)
これのみ表紙が缺けているため、本文タイトルのみ。
本文タイトル「新刊全相楽毅図斉七国春秋後集」

楽毅vs孫臏というある意味豪華な対決。ただし、孫臏の仕えた威王はB.C.350-B.C.320在位。楽毅が斉を攻撃した際の斉王である湣王はB.C.300-B.C.284年在位なので、孫楽を戦わせるのはかなり無理があります。しかも、後半は孫臏に追いつめられた楽毅が師匠筋の仙人黄伯楊に助けを乞い、その黄伯楊によって窮地に立たされた孫臏を救うため、その師匠鬼谷子が出馬するというトンデモなさ。最後は『封神演義』顔負けの仙術大戦争となります。
なお、「後集」とあるので「前集」があったと思われますが、今のところ発見されてません。伍子胥あたりの話の可能性はありそうですが。

(3)秦併六国平話
表紙タイトル「全相秦併六国平話」、中央に「秦始皇伝」とあり。
本文タイトル「新刊全相秦併六国平話」

秦に対抗するため楚を盟主として六国が会盟するも、王翦・蒙恬を中心とした秦軍がこれを撃破。秦が中国統一を果たす。しかし、始皇帝は沙丘にて崩御。秦に対する反旗が翻る。最後は物凄く駆け足で楚漢抗争が語られます。正直、無味乾燥で平話五種の中で一番面白くない(笑)。

(4)続前漢書平話
表紙タイトル「全相続前漢書平話」。中央に「呂后斬韓信」とあり。
本文タイトル「新刊全相平話前漢書続集」

項羽を滅ぼし、漢が天下を握ったところから説き起こされます。主役は、はっきり言って呂后。高祖と呂后は反乱を恐れて、建国の功臣である韓信・英布らを処刑。高祖が崩御して恵帝が立ちますが、暗愚であり、実権を握ったのは呂后一族。しかし、専横を極めた呂氏も周勃・陳平らによって滅ぼされ、文帝が長安に迎えられて即位、というところで物語は終ります。
「続」「続集」とあるので、これに先立つ物語があった可能性は高いのですが、現存は確認されていません。なお、先行するのは「正集」だという説と、「前集」「後集」の二種類が先行していたのではないかという説があります。後者は、平話と出版地や性格が似る『花関索伝』が「前集」「後集」「続集」「別集」の4冊であることからの類推です。

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