南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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新潮文庫。2004年12月1日発行。685頁。


個人的評価A+


大傑作(って、いまさら私が言うことでもありませんが)

『後宮小説』からのファンで、新刊(といても文庫ですが)を見つけたら
買う作家であります。
この『陋巷に在り』も延々とつきあってきました。


などと言いながら、実は、この最終巻が二年も前に
刊行されていたことを知らず、やっと読んだわけですが。


内容は孔子&その弟子顔回に材を採った歴史小説。
ということで要約できます。


ただ、世間一般はそうは考えないようで。


この作家自身は再三再四言明しているように、
史料と正面から向き合い「歴史」を描き出そうとしているわけですが、
それゆえ、古代中国の「礼」とか「仁」などという現代日本人に
理解するのが不可解な概念を必死に描くことになるわけですよ。
原典にしがみついて。


なのに、
>歴史小説だと思ったら大間違いで、これは一大サイキック伝奇アクション巨編」
(大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り』p.273脚註)


とか評されてしまうわけだ。いかに「歴史小説」が固定観念で
捉えられているかのいい証拠ですね。
「小説」に定義なんかないのに。


蛇足ながら、『文学賞メッタ斬り』の同頁で、
>舞台は春秋時代の中国だから、ちょっと《十二国記》みたいなところもあるが、
ってかいてあるのは、いい加減失礼だろう大森望。


しかし、この人の本、売れないのね。
私が買った版、二年前の初版本でした(ちなみに新刊書店で購入)。


こんな傑作が埋もれているとは。勿体ない。


まあ、マニアックすぎるんでしょうが。
大学で少しは古典漢文を齧った身としては、
原文が(かなり)読め、註釈にも目配りできるこの作家は
希有な存在であり、その文章が心地いいのですが、
一般ウケはしないよなあ。
(この人が一般ウケするなら、中国哲学・中国文学関係の本、
もっと売れるでしょう)


でも、オススメです。
全十三巻の大河小説になっちまいましたが、
未読の方、是非是非。

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