南飛烏鵲楼

三国志に特化して再開します(2008.04.09)
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strapさんの記事に触発されて関羽(と周倉ネタ)。


strapさんご指摘の通り、『演義』の周倉には
水練達者という設定があります。


もっとも、『演義』では、この回にしか周倉が水中で活躍する話はありません。


結局のところ、何で周倉が水練達者なのかはよく解らない。
これもstrapさんご指摘の通り、周倉は「黒面」と設定されていて、
これは五行説では水にあたるわけですが、
『演義』では龐統(第57回)や南蛮の兵士(第88回)も
「黒面」なので、水との関連性を強調するには弱すぎる
根拠かも知れません。


それに個人的には周倉の容貌ってのは張飛のそれに由来している気がします。


神戸の関帝廟なんかが顕著ですが、
関羽の脇侍、関平と周倉のはずなんですが、
劉備と張飛にも見えなくはない。


少なくとも周倉の黒面というのは、
すぐさま張飛を聯想させるものだと思います。
(明清代の画像などを見ても張飛は黒面で描かれることが
多いようです)


つまり、劉関張の三人という組み合わせがまずあって、
関羽が神格化されてゆく過程で、劉備が関平に、
張飛が周倉にスライドしていったのではなかろうかと。


まだ、思いつきの段階で、全然考証してませんが。

さて、それでは周倉と水がまったく無関係かと言うと、そうでもない。


周倉の仕える関羽には水神的要素が多々見られます。
(以下は、大塚秀高先生の「小説と物語―剣神説話を端緒として」
(『中国古典小説研究動態』第4号所収)を参考にしております)


南朝梁・陶弘景の撰と伝えられる『古今刀剣録』という書に、
関羽が「万人」と呼ぶ剣を作り、自らが死ぬ際に、
その剣を水中に投げこんだという伝説が記載されています。


また、ずっと時代は下がりますが、
『花関索伝』では赤兔が青龍刀を銜えて入水する、という
情景が関羽の死を暗示しています。


いずれも関羽の死に際して、「水」が出て来るわけです。
神話・伝説研究的には、このような叙述は当該人物に対して
水神信仰があったから、ということになるようです。
中国だと屈原や伍子胥なんかが典型ですね。


しかし、『演義』の関羽はそれほど「水」に関係しているようには見えません。
まあ、『演義』自体が上記のような民間信仰を極力排除しようという傾向を
持っている(それでも相当残ってますが)ので、関羽と水の関係も排除されたんでしょう。


ただ、周倉が水練達者だという設定に、水神信仰の残滓があるという
憶測はいかがでしょう?(了)

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コメント
この記事へのコメント
>strapさま

ご訪問ありがとうございます。
こちらこそ、正史など資料を論拠にしながら
それを軽々と飛び越えてゆく想像力に
感服しています。
2007/05/16(水) 05:38:38 | URL | たけ #-[ 編集]
紹介有難う御座いました
「周倉の正体は潜水艦だった!」
とかいうアホな牽強付会の為に書いた記事ですが、着想に一役買ったみたいで嬉しく思います。
武樹さんの記事は常にハッとさせられる事が多く、更新されていると嬉しく思います。これからも頑張って下さい。

水神的要素という事ですが、治水に関わる要素で有る為に、ヒーローの因子に中国人は入れたがるのかも知れませんね。そう考えると「青龍刀」の龍は、水神としての竜にも感じてしまいます。
西遊記の孫行者も、禹帝と敵対した水神である無支キの影響があると、多くの人から指摘されているようですよ。
2007/05/15(火) 15:27:32 | URL | ストラップ #-[ 編集]
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